「歌い手」という言葉が趣がある

昨日まではなんとも思っていなかったのに、
「歌い手**、シングル発表」という文を読んでから「歌い手」という字面が面白くて面白くて仕方ない。
歌い手、と何回も声に出しては笑っている。

何がそんなに面白いんだろう。
たどり着いた着いた結論は、「歌い手」という表現方法が大げさであり、かつショボイからという事だ。

・大げさ
「歌い手」は、ニコニコ動画の中に存在する限りは、「ただのカラオケの上手い人」なのである。ニコ厨からすれば、リスペクト的な意味を込めて「歌い手」という表現なのだろうけど、その他の人間からすると大げさに聞こえてしまう。なんだ、その重み。はっきり言って「カラオケマン」で十分である。私からすれば「歌い手」はちょっと自由度が高いのど自慢に出ている素人なのだ。中学生はすぐ「神〜」とか言っちゃうわけだが、そのメンタリティが存分に発揮された言葉が「歌い手」だと思う。微笑ましい。

・ショボイ
ずば抜けた才能を持っていたり、作詞作曲まで自分でしてしまうような人も中には居る。そうなると、「歌い手**」という呼び方はショボすぎないか。歌が上手い素人から「カラオケが好き」くらいの人まで包括している言葉が「歌い手」だからこそ、そういう枠から外してあげても良いのに、と思う。せめて「ニコニコ動画出身、**」とかでええやないか。
一生こいつ、「(素人の)歌い手、歌い手」とか言われるのか、と思ったら不憫すぎて泣ける。wikipediaとかにも「**は東京都出身のアーティスト、作曲家。」とか書かれずに「**は東京都出身の歌い手。」とか書かれるのかと思うとめちゃくちゃウケる。不憫だから。そういう見えない前提での評価しかしないメディアも辛辣だし、世間は「歌い手(笑)」って言うだろうし、反対にニコ厨の人は「歌い手**さま!」みたいに応援するのかなと思うとめっちゃ面白い。ライトノベルの文芸界での立ち位置にそっくり。本人の気持ちを思うともう居た堪れない。あと、「バンド BUMP OF CHICKEN」とか「歌手 浜崎あゆみ」とかは言わないので単純に字面が面白い。

面白い、というかウケる、というか「いとおもしろし」、という言葉がしっくりくる。こんなにいろんな感情が湧いてくる言葉そうそう無い。めっちゃ面白い。真夜中に死ぬほど笑った。