「頑張ってください!」

昨日,人形劇団クラルテの公演を観に行った。
人形劇を見るのは初めてだったが,
積極的に見にはいかないものの,劇やミュージカルは好きなので,人形劇も好きだろうなと思ってたけど案の定良かった。

なぜ見に行ったかというと,演目が森見登美彦の有頂天家族だったからである。
森見登美彦は中学時代,美術部の友人が勧めてくれたことから読み始め,言い回しの心地よさとかファンタジックだけど現実的な世界が好きで,そんなに読書しなくなった今でもよく読んでいる。

私は劇を見ると何故か悲しくもない場面でボロボロ涙を流してしまう。悲しい場面では言わずもがなである。昨日も開演した途端に涙がボロボロ出てきてビックリした。そして名場面でもボロボロ。エンディングで多幸感のあまりボロボロ。
劇にしたらどうなるかと思ったけど小説とは別物で普通に良かった。森見登美彦のキャラクターやストーリーの作り込みが活きていて面白かった。
今日死ぬほど疲れていたけど来て良かったなー。
そう思っていたらアフタートークで

「今日は原作者の森見登美彦さんがお越しです」

とステージに立っていた劇団の人が言ったのでエッと思ったら私の斜め後ろに座っていた男性がスッと立ち上がりお辞儀をしたので,一瞬息が,止まった。
サイン会とかはするから邂逅だなんてそんなレアな体験じゃないのかもしれないが,それでもずっと好きな作家であるわけだから,血圧が上昇するのを感じた。

ステージで喋る言葉も,出で立ちも物凄く普通で常識的な人だった。ある意味納得する部分もあり,意外だなと思う部分もあり。

終演後,サインをいただいた上に,写真まで撮っていただいた。
まことに感激である。家宝にする。

私は有名人に会うとなんか印象に残ってやりたくて奇抜なことを言って帰るのだけど,思わぬ展開に
「頑張って下さい!」
としか言えなかった。

ちなみに玉木宏の握手会に行った時には「トマトは好きですか?」と聞いた。彼はその時のことを覚えていたりするだろうか。ちなみに好きじゃないそうです。