ヌーヴォーなのか、ヌーボーなのか?
昨日11/19に2015年のボジョレーヌーボーが解禁された。
朝起きて、「この日がついにきたぞ!」と思った。
飲むのを楽しみにしていたからではない。1年前に立てた仮説を確かめる時が来たからだ。
- 「え、ボージョレ?」
私は3年ほど小売店でアルバイトをしているのだが、小売店の宿命で、常に何かしら販促のためのキャンペーンをしている。この季節は毎年ボジョレーを売りまくるという決まりになっている。
去年、企画書のコピーをもらった時にタイトルに「ボージョレ・ヌーボー」と書いていたことに非常に違和感を感じた。
ボージョレ?ボジョレーじゃないのか,と。
その日から他の店ではどういう風にあのワインのことを書いているのかを気にするようになった。
そこで立てた仮説が次の画像である。

後ろに平仮名練習帳が。当時字が下手すぎて就職できない不安に駆られていた
ボジョレーの表記はここに収まるんじゃないか。
ボジョレ・ヌボというばかみたいな表記もあり得ることになってしまうが。
そして今日、百貨店が集中する大阪梅田周辺へ、検証のために足を運んだ。
- 阪急百貨店

初めてのアルバイトはここ。始めて半年後に店の閉店が決まるという悲しい思い出

隣の通路も飾られていて、いかに儲かっているかがわかる
阪急にきた。ここで半年バイトしていたので,だいたいどこに行けばボジョレーが売っているかはわかる。B2の酒売場に間違いない。
と思っていたらB1の特設会場で売られていた。

「ボージョレ・ヌーボー」
私が今働いている店と全く同じ表記だった。もしかして、世間的には「ボージョレ」が主流なのか・・・?
- 阪神百貨店

多分フロア面積は大阪一じゃないかという位広い
阪急百貨店から徒歩30秒。
阪急百貨店も混んでいたが、阪神も裏切らない混み具合。
いまいちどこが酒売場なのかわからず、ロアを彷徨い歩いた。シュークリームやフルーツタルトや栗ようかんの誘惑をくぐり抜けた先にやっと見つけたワイン売場。
ボジョレーオブ阪神はいかに?!

「ボージョレヌーヴォー」
「ボージョレ」でやっぱりそっちかー。となるものの「・」も無ければ「ヌー”ヴォ”ー」で阪急とは違った表記だ。すぐ隣の百貨店でも違った表記になるのかー面白いなーと思っている間にもひっきりなしにお客さんがワインを選びに来ている。
あまりじっと同じ場所にいると飲みもしないのに買わされそうなので、退散して次の場所へ向かった。
- 大丸
またもや阪神から徒歩30秒。この狭い範囲にどんだけ百貨店があるんだ。
大丸のB1階はこのように分断されていてどっちに行けば目当てのものが買えるんだろうというドキドキ感が味わえる数少ない百貨店
B2にある酒売場に足を踏み入れ,ボジョレーはどこだと探し回っていると、店員さんに捕まった。しかしこちらの質問にも丁寧に答えてくれる紳士的な人で、販売員はこうで無ければな・・・と日頃の自分の働きっぷりを反省した。
あまりにも親切なので買って母親にでもあげようかと思ったが、財布に1000円しか無いので諦めた。

話を聞きながらどさくさに紛れてパシャリ。お、ここはボジョレー派だぞ
ボジョレーだと思っているのは世界に一人私だけで、「ぷぷ、ボジョレーだってよ!」と思われてんのかな、世界ではボージョレ派が大多数なのかな、と心配していたが、少なくとも前者は否定されたのでホッとした。
次に向かう伊勢丹への足取りも軽い。
- 伊勢丹
大阪人の東京嫌いが炸裂して、いまいち業績を伸ばすことができない伊勢丹。私は梅田の百貨店では一番好きなのだが。でもデパ地下はほとんど行ったことがないな。酒売場どこだろ。あ,あっさり見つかったぞ。

伊勢丹もボジョレー派だ。大丸との違いは単語の切れ目に「・」があるか無いか
でもゲレットは「ボージョレ」だ。血液型で言ったらAB型だし物語でいうとジキルとハイドだな!
酒売場と百貨店側の表現で微妙に異なってくる。それにしても今まで見たやつ全部、何一つ同じものがない。これはすごい。Beaujolais nouveauというフランス語が日本語のフィルターを通すだけでこんなにブレる。恐るべし日本語の曖昧力。そりゃあ欧米人が「日本人もっとはっきりしろ!」と怒ってくるわけだ。

ここで私が最近お気に入りのパンをご覧下さい。「ショコラ」と「オニオンブレッド」です。
さて,百貨店を一通り周ったため、今度は近隣のその他小売店をチェックだ。
- ファミマ

「ボジョレーヌーヴォー」
- グランフロントのワイン店

「ボジョレー・ヌーヴォー」。伊勢丹(酒売場)と同じ。
- ルクアB1の食料品店

「ボージョレ ヌーヴォー」。特筆すべき点は「・」でも字詰めでもなく「 」!
- 成城石井

出ました刺客。「ボージョレ・ヌーヴォ」。最後は伸ばさず止めて上品さを演出
私が梅田で回った店舗は以上である。数としてはボジョレーもボージョレも拮抗しているが,ボージョレが1票上回った。「ヴォ・ボ」問題については「ヴォ」が優勢なようだ。
もう少しサンプルがあればいいのだが,歩き疲れてしまってここで諦めてしまった。そして今日記事を書かないと賞味期限切れになりそうで怖い。
今日のところは「ボージョレ・ヌーヴォー」表記が正統派ということにしたい。
ちなみに今日発見した表記ゆれを図示すると次のようになる。

現場からは以上です。
- ところで
実際フランス語ではどう発音するのか?と思い調べていたら、母国語の発音をネイティブが登録できるサイトがあった。もちろんボジョレーも登録されていた。
聴ける人はぜひ聞いてほしい。
http://ja.forvo.com/word/beaujolais_nouveau
…フランス語的には「ボジョレヌボ」が正解みたいだ。冒頭にバカみたいと書いた言葉が一番近いとは。
