初期のふぁんくきばやし
ほとんどの曲は1分から2分くらいの長さ。そして同じくらいの長さのMCをして、また1、2分の曲を演奏する。聴きやすいコード進行にキテレツな歌詞。
ライブを1度見た者の心を掴んで離さない、今関西で密かに熱いロックバンド、「ふぁんくきばやし」。
メンバーとファミレスで飯を食ったついでにインタビューまがいの事をしてきた。
ふざけた回答が帰ってくると思ったのに、めちゃくちゃ真面目なことを言われてうろたえました。
「ミスチルに影響を受けてる」

左:Gt/Voキバヤシ 右:Ba/Choジュニア 普段は二人とも会社員
−そもそもふぁんくきばやしって何に影響受けてるんですか?
キバヤシ:ミスチルやなあ。
−意外すぎる名前が出てきた。
キバヤシ:俺の音楽はミスチルがルーツやから。
中3のときにカラオケで同級生が歌ってた「終わりなき旅」聴いて「めちゃめちゃいい曲やん!誰が歌ってるんや!」って。それがミスチルとの出会い。
とてもじゃないけどミスチルの影は感じない、笑わせるつもりしかないだろ、という曲
−ほかになんか影響受けたバンドってありますか?
キバヤシ:ベボベ(Base Ball Bear)とエルレ(ELLEGARDEN)。ギターの音とかはほんまにベボベの影響受けてる。
「裏切るようで悪いけど」なんかは特にそう。(https://creofuga.net/audios/player?color=black&id=60148)
きっかけはアニソンと文化祭
−ギターを始めたのは中3のときにミスチルに出会ってすぐですか?
キバヤシ:いや、高校3年の時やな。高校の文化祭で見たライブがきっかけで。あとはアニソンをコピーしたかってんなあ。
そのあとは大学入って軽音サークルで2回ライブして。そんときはオリジナルじゃなくてエルレのコピーをしてた。「マジ、生きてる」っていう感じ。
−コピバンをしてたキバヤシさんがオリジナルを作り始めたのはいつからだったんでしょうか。
キバヤシ:2009年!大学3年のとき。オリジナル限定のライブで、出演料タダだったから当時のアコギサークルのメンバーと組んで出た。ちなみに本番2週間前にライブの関係者に告ってフられて超気まずかった中ライブした(笑)
・・・で、本格的にオリジナルを作り始めたきっかけっていうのが、先輩のために作った卒業ソングで先輩とか後輩が泣いてくれたっていうこと。
「自分の作った曲がこんなに人を揺さぶれるんや」っていうのが作曲のモチベーションになって、そこから「真面目な」曲をたくさん作っていった。
−いまのふぁんくきばやしからは考えられないですね。最初は真面目だったんだ。
キバヤシ:そう!結構作ったんやけどそれはウケなかった。全くダメ。でも、同時並行でやってた「ふぁんくきばやし」は滅茶苦茶ウケた。それが2010年3月のこと。真面目な曲が受けへんかったのは、「人の心を揺さぶれないしょうもない曲」やったんやろな。ふぁんくが受けたのは「楽しい!」っていう気持ちを揺さぶれるものだったんだろうなと思った。
そこから自分が音楽で何やりたいか考えるようになって、それで「フェスとかでみんなが盛り上がってるのとか楽しそうやなー」とか思ったりして。「喜怒哀楽」の「楽」を路線にし始めたのはそのあと位かな。
−めっちゃ真面目じゃないですか!
キバヤシ:真面目やろ!嘘じゃなくてこれが俺のいまのポリシー。

時々ふざけたり秘密の暴露をされながらインタビューしてました
−ちなみに歌詞やタイトルのコンセプトは何でしょう?アルバムのタイトル、「GEYOTASAN」とかなんだろう・・・って思うのですが。
キバヤシ:あ、ゲヨタさんは大学の文芸部に居た人。俺は文芸部じゃないけど友達がいて、そいつに「これ(ゲヨタさんのエピソード)で曲作って」って言われて、それが「ふぁんく」の最初の曲になった。しばらくは「ゲヨタさん」で曲作れたんやけど、当然ネタ切れになってくるから、今は生活で見聞きした事や気に入ったキーワードを膨らませて書いてる感じ。
(cf 「あかん思うでぇ」https://creofuga.net/audios/player?color=black&id=60146)
知らん人の曲を何分も聴くのはしんどい
キバヤシ:あ、忘れとった。俺曲作りで大事にしてることがあって。
アマチュアのライブとか行って、AメロBメロサビ、の繰り返しで4分5分とかで、それって世に出てる有名な曲と同じ構成なわけじゃん?それ聞いてて思ったのが「1番だけでいいんちゃう?」って(笑)しんどいやん。
−言われてみればそうですね。
キバヤシ:5分くらいの曲を5曲くらい聞いてもらうのと、1分くらいの曲を12曲くらいやるのと、どっちがお客さんの心を掴めるかって言ったら、12曲の方やん?下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるっていうか、
12曲中1曲でも、良いのが見つかればそれを拾ってやってください、って。1分の曲やって、1分MCを繰り返したらフルアルバム聴いたみたいな満足感が得られる(笑)
ふぁんくきばやしの曲が短い理由はそれ。
−ホスピタリティに溢れている!お客さんのことちゃんと考えてる。
キバヤシ:AメロBメロとかっていう構成にするのは有名になってから、いまは自分のバンドを知ってもらうのとお客さんに楽しんでもらうことが先。
−全力でふざけたスタイルなのもちゃんと理由があるのか!

最近スケッチブックに曲名を書く漫談スタイルになったらしい
ー最近精力的にライブ活動してるらしいですけど、何か変化はありますか?
キバヤシ:ライブで対バンしたバンドの子がDJしてる小田原のラジオに出た。
ーえ、すごい。
キバヤシ:そのバンドの子が「帽子のてっぺん取れてる」って曲をずっと流しててくれたみたい。そしたらリスナーが「帽子のてっぺんが取れてるだけの曲が気になります」って問い合わせをしてくれた(笑)それがきっかけで、電話出演したり。
あとは大きな変化はないけど、ふつーのバンドマンの大学生たちにCD下さい!って囲まれたりするし、出るライブではもう大体笑ってくれたり安定感出てきた。京都以外で、やけどな。京都ではもう二度とやりたくない。(以下京都であった悲しい話)
−・・・今後新曲に予定やライブは決まってないんですか?
キバヤシ:今三曲作ってて、ライブは未定!でも夏を目標に東京でライブしたいと思ってます!
−ついに東京進出!東京でふぁんくが聴ける日を楽しみにしてます。

このあと現金を下ろすのを忘れて財布に130円しかなくて二人におごってもらいました
ふぁんくきばやし・・・2010年3月、Gt/Voのキバヤシが宅録でCDを作り始め、徐々に楽器が弾けるメンバーを増やしながら今の体制に。昨年夏にキーボードが加入してメンバーが4人になった。聴いてすぐに「唯一無二」を確信できるふざけた曲が老若男女の心を掴んで離さない。
音源集:https://creofuga.net/19897
Twitter:@fk_kiba
