最近人から3DSを借りて「とびだせ どうぶつの森」をしている。
どうぶつの森では、住人であるどうぶつが話しかけてきて急に家具をくれたり、「家に来いよ」と言ってきたり、現実の人間関係でもそうそうない大胆なコミュニケーションを図ってくる。
今日はネルソンというキザな鹿の住人が「家にきちゃいなよ」とか言うから遊びに行った。ネルソン、めちゃくちゃインテリアがオシャレでグランドピアノやら粋なソファーを置いていて、結構気に入っている。
その癖、私ががたまたま持っていたウオッシュレットトイレを譲れと言ってきたり、「このソファー売ってあげるよ」とか言うわけ。せっかく任天堂のデザイナーがきれいに作った部屋を……。
そういう思いがあり、人間である私はそれを丁重に無視して帰ろうとした。この部屋から何か一つでもパーツが欠けると勿体ないと。
すると「僕の部屋の感想はどう?」と最後に聞いてきた。
私はもちろん「サイコー」と答えた。本気で「サイコー」と思っているから。
それなのにネルソンは「君が僕の部屋をイマイチだと思っているのは知っているよ・・・なのに君はサイコーなんて言ってくれて優しいね」とか言うんですよ。
そのセリフを聞いて、ゲームの中の話なのに、めちゃくちゃ悲しくなってきてしまった。
相手の欲求を汲み取れないがために、気を使ったはずが相手には真逆に伝わっている。現実でもよくある話だ。それで「やってしまったな」という気持ちになったことが何度もある。それを、まさかどうぶつの森で繰り返すなんてと思うとちょっと泣けてきた。ちがう、そうじゃないんだ、私が思ったのは・・・と言っても相手には聞こえない。そして自分の中の支配的思考に気付いて自己嫌悪に陥るのだ。
そんなことを言い出させるようにしている、任天堂のいちいち細かい設定が憎たらしい。コミュニケーションでは相手の欲求を汲み取る、覚えたぞ。
