アプリ作るためにSwift書いていたらMacが古いせいで遅すぎてやってらんないので、代わりにブログを書くことにした。
こないだの三連休中に本を何冊か読んで面白かったので2冊紹介します。
どれも春日武彦の本ですが
ちょうど1年くらい前、もの凄い破滅の強迫観念に襲われて危うく人生が終了するところだったのだが、その強迫観念を分析した結果が「幸せになることが怖い」という気持ちが自分の中にある、ということだった。
それで「幸せ 怖い」みたいな感じで調べてて見つけたのがこの本だったのだが、当時はあまりに元気が無くて読めなかった。そのことを急に思い出してすぐ買って読んだのだが、非常に良かった。さっさと読んでおいたほうが救われたかもしれない。
正直読書感想文とか得意じゃないが、一言でこの本を要約するならば「人は大きな不幸が来る前に小さな不幸を起こして安心しようとする」ということだ。
誰しもそういう願望が心のどこかにあり、時に生物として不自然で異常な行動を起こしてしまうのだという。
その説明を読んだ時、非常にしっくりきた。1年前の自分と同じだと思った。
ことごとく人生で挫折を重ねていた私が、行きたい会社の内定をもらうことが出来て、初めて人生がうまく行ってしまっていた。
しかし、「こんなラッキーなことがあったらあとは真っ逆さまに落ちていくだけだな」という不安な気持ちも同時に抱えていた。その不安に答えるかのごとく湧き出てきたのが破滅願望だったんだろうな、とこの本を読んで納得した。
今思うと、その人生の挫折も今思うと自分で選んだとしか思えない。
成績が良く、多分公立の進学校に入れてしまうぞ、ということが分かるとどんどん勉強する気が起こらなくなり、結局滑り止めにしか合格できなかったり、
センター試験は上手くいかなかったものの、第2志望の公立大学には行けそうだぞ、となると2次試験まで遊び呆けてしまったり。センター前は1日15時間くらい勉強していたのに。
上手くいくと、親に過剰に期待されるという不幸が待っていることを経験的に知っていたからわざと失敗して「それなり」のところを選んだんだろうと思う。
そういう人生の節目節目で、このようなことを起こしがちなので会社から掛かってきた電話も「不採用のほうが安心するな」と思っていたくらいだ。冴えない人生に慣れ過ぎていて、急に明るい人生がやってくることを落ち着いて待ち構えることが出来なかった。
もし、この本を当時読んでおけば「人間って誰しもそういう特性を持っているのか」ということを学んで、泥沼に嵌らずに済んだかもしれない。みなさんも奇行に走りそうな自分が怖くなった時はこの本を読んでしっくりきましょう。
まあこんな精神状態に陥ってしまう人ってそうそう居ないと思いますが。
春日武彦の本としては4冊目に読んだ本なのだが、先述の本と同じ著者が書いたとは思えないエッセイ。
この人は非常に口が悪く、淡々と言葉を書き連ねていたかと思いきや、「お前の汚わらしい目玉にボールペンを突き立ててやるから覚悟しておけよ」などと言い始めるので愉快なのだが、そんな人の「不安」「狼狽」が鮮やかに描かれていて「言葉ってすげえな」と思ってしまう。
この本は「占い」がテーマかと思いきや「心の救い」がテーマの本である。
精神科医が狼狽えて、占いに行くというのは最初だけ。
単純に「精神科医も人間なんだな」という感想もあるのだけど、描写される心象風景や出来事に自分との相似を感じ、そしてそれに対する解釈にすごく救われた気持ちになった。
これを読んだことで全てが根本的に解決というわけではないが、間接的に色々なものに折り合いをつけて生きていけそうと思った。
本の中にも書いてあったが、自分の気持ちや言いたいことが上手く言葉に出来ない時に、それをぴったり言い表す言葉に出会えるとものすごく救われた気持ちになる。読んでいて何度もその救いが何度も訪れた。
レビューは「マザコン気持ち悪い」といった言葉が並べられているが、これを読んで前進する人が何人もいると思うので、紹介したくなった。
