6年付き合った人と結婚した。別に1年くらい一緒に住んで居たし戸籍名が変わって、あとは法的な効力が発生するだけなのだが、結婚しましたというとみんな大げさにお祝いしてくれるので、なんかこれはえらいことになったな、という気がしてきた。これはそんなにおめでたいことなのか、と付いていけなさに混乱している。
どういう経緯か怖くて聞けないのだが、自分の両親は入籍せずに私を産み、父親はほとんど家におらずひたすら働いていたのか、他に家庭があったのか、よくわからないが、そんなわけで私はほぼ1人親家庭で育った。他に兄弟もいないので、1人の人生をめちゃくちゃ謳歌してきた(毒親ではあったので厳密にいうと謳歌はできていない)。さらに言うと、親戚の離婚率が異常に高く、子供ながらに、その場の気分に身を任せて無責任なことをしたり、顔とか経歴で人を選んだりすると辛いことになるのだな、と思っていたわけである。
そんな環境であったから、結婚は良いものである、なんて思えなかったし、楽だから一生1人でいいなと思っていた。あえて恋人が欲しいとか、結婚願望があるってどういうわけかさっぱりわからない、と思っていて、たまたま好きな人がいて、その人と付き合いたいとか結婚したいとかならわかるけど、わざわざ出会いを探しに行くとか、結婚するとか、そんな無理しなくても、幸せに楽しく生きれるはずなのに、と思ってしまう。でも結婚したいと思っている人に私がそれを言うとただの嫌味になるので言えないが。
そういう思想だったのだが、夫と付き合い始めて1ヶ月くらい経った時、大学のそばの河岸で座って話しながらなんでそう思ったかは忘れたけど、ふと多分この人とずっと一緒にいる気がするな、と思った。私の20歳の誕生日前日にカナダ留学から帰ってきて、キャラクターものやぬいぐるみが好きではない私に「興味無いだろうけど・・・あえて・・・可愛いでしょ?」とカナダで買ったクマのぬいぐるみを渡してきた。あえて!?無難にアクセサリーとかでもなく!?興味がなさそうなものを!?普通の人間はそんなギャンブルしないだろと。でも、この人は本気で私が喜ぶと思ってやっている。全然欲しくなかったのだが、何故かとても嬉しいし、確かになんだか可愛い。一体なんなんだこいつは・・・。そんな斜めうえの純真エピソードが、病める時も健やかなる時も繰り返されているうちにこの人と結婚してしまうだろうな、と確信が強くなっていったし、この人と結婚しないと事故にあったり倒れた時に自分には連絡も来ない、結婚して公的な地位を確立しなければ、という意思に変わっていったのだった。
こういう経緯があって結婚してみたのですが、世間との結婚観のギャップにこれからも疲弊しそうだし、とても神経質なのでいちいち「アドバイス」に腹が立ったりするんだろうな。でも気にせず今まで通り毎日が修学旅行のノリで楽しくやっていく。
